スピリチュアルな考え方や癒しに助けられた経験がある方、きっとたくさんいると思います。

目には見えないエネルギー、宇宙の流れ、導きや直感──

それらが心を軽くしてくれる瞬間は、確かにあります。

私自身、そうした考え方に救われたことが何度もあります。

でも、ときどき気になることがあります。

スピリチュアルを大切にしているあまり、病院に行かなくなったり、薬を一切否定したり、「漢方や鍼灸も怪しい」と感じてしまうような傾向を持つ人たちがいること。

その選択が、結果として命にかかわるようなことにつながってしまうケースも、実際に見聞きしてきました。

もちろん、現代医療が完璧だと言いたいわけではありません。

医療に限界があるのも事実ですし、副作用や過剰な投薬の問題など、考えるべき点もあります。

だからこそ、東洋医学やスピリチュアルといった「補完的な視点」が生まれてきたのだと思います。

でも──

病気は“心”だけではなく“体”の問題でもあります。

スピリチュアルに癒されたとしても、体が出しているSOSを無視し続ければ、どんなに波動を整えても、現実の痛みや苦しみは続いてしまいます。

ここは地球。物質の世界です。

私たちの魂が宿っているのは「肉体」であり、それを維持するためには、医学的なアプローチが必要な場面もあるはずです。

魂の成長も大事だけれど、肉体があってこそ、体験も、学びも、感動もできる。

だからこそ、「治す」ことを手放さないでいてほしいと思うのです。

医療とスピリチュアル。

どちらかを否定するのではなく、どちらもバランスよく取り入れていく。

それが、ほんとうに自分を大切にすることにつながると私は思います。

もし今、「医療に頼るのは間違っている」と思い込んでいたとしたら──

それが“直感”ではなく、“恐れ”や“思い込み”から来ている可能性もあるかもしれません。

必要なときは、現実の力も信じてほしい。

ちゃんと治療を受けること、ケアを受けることは、自分を大事にする選択のひとつです。

心も、体も、あなたの大切なパートナー。

どうか、どちらも置いていかないでくださいね。